学習目標と学習項目の関係
学習項目って何でしょう?
学習目標って何でしょう?
クラスにしろ、個人にしろ、語学を指導するときには、
この二つをきちんとわけて指導する必要があります。
言語知識は、学習項目になります。
例えば、単語とか文型・表現などです。
日本語を教える立場になったとして
受身を教えたいとか、使役を教えたい、敬語を教えたいとか、
そんな気持ちになることはありませんか?
というより、語学を教えるって、そういうものだと思っていませんか。
でも、それは、今まで、過去、英語などをそのように教わってきたからかもしれません。
Aさん「でも、英語を学ぶときって、過去形とか 現在完了とか、受身とか、ぜったい必要じゃないですか?」
確かに、文型・文法を学ぶことは必要ですけど、その言語知識、そのものを教える、伝える、ということに教師の焦点が行くのは、どうなのか?というのが私の考えです。
英語で考えてみましょうか?
英検の1級とか準1級の語彙とか表現とか、勉強したことはありますか?
私はあります。で、これ、なんのために必要なんだろう?絶対、一生使わないな、なんていうものを覚えた記憶があります。苦痛以外の何物でもない。そして、試験が終わったら、すぐ忘れます。
この学習者としての「嫌な」感覚を理解していることが重要。初級であれ、中級であれ、これ、なんのために覚えなければいけないんだろう、という気持ちを持つ学習者がいる、むりやり覚えさせられるというのがつらい人がいる、ということを忘れないことが大切だと思います。
そういう学習者の気持ちになったときに大切なのは、
なんのためにこの「文法項目」を学ぶのかという目的「学習目標」をもっと前面にだして、
授業をすることです。
今度は日本語で考えてみます。
「て形」や「受身」という言語知識、絶対必要だよな、という感覚はありますね。
私にもあります。
ただし、言語知識を前面に出すということには、問題があるかもしれません。
今日は「て形」を勉強します。
今日は「受身」を勉強します。
というスタートは 教師として、「学習項目、覚えなさいよ」というメッセージになっているように思います。学習者は苦痛を感じるかも。
Aさん「じゃあ、どうしたら、いいんですか」
そこで、「学習目標」の登場です。
例えば、 「困ったときに人に頼むことができるようになる」という目標があるとすると、
その実例を示しておき(この部分のテクニックはいろいろあります)
「これができるようになったら、いいよね。」という教師メッセージ、
さらに、
「それ、できるようになりたい」という学習者の心意気
そんなもので、クラスの雰囲気が高まって、
さあ、それは例えば、「教えてください」「たすけてください」「書いてください」ですよ、
そして、その表現をつかうためには「て形」という形が必要なんです。
という段取りで持ってくる。
学習者も、「そうか、たのむためには「てください」を言えばいいんだ。そのためには、「て形」を覚えたらいいんだあ(情熱)」という気持ちになる。
その後、おもむろに「て形」の指導に入る。
つまり、
「学習目標」で学習者のやる気、情熱を引き出し、
そこから、冷静に言語知識の指導に入る。
というのが、参考にしてもらいたい授業の構成のひとつです。
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