「それ」の話2

前回、「それ」っていうのは、

「ねえ、それ、何?」と目に見えるような指させる場合と、

「ちょっと借金返済、まってくれない?」「それはできないよ」

と「それ」が話の前に出てきてて、指させない場合があることを話しました。

今回は、目にみえる場合の「それ」と「あれ」の違いについてです。

今はどうかわかりませんが、私が中学生の時、英語では それ、あれ をどう教えていたかは、
覚えていないんですが、 似た言葉で、
そこ、あそこ、というのは覚えています。

そこ=there

あそこ=over there

です。

それで、無意識に  「あそこ」の方が、遠いんだなあ、と思ってしまいました。

だから はじめて日本語を教えたとき、素人時代

ここ これ

(ちょっと遠い場所)そこ それ

(もうちょっと遠い場所)あそこ あれ

別の書き方

ちかい ちょっととおい とおい
これ それ あれ

 

これがだめな時があるから、要注意っていう話です。

図をここにかけないのですが、

ポイントは

話し手と聞き手がいて、そのふたりの空間の中にあって、

話し手に近ければ、「これ」

聞き手に近ければ「それ」

ふたりの空間(微妙でごめん)から離れていれば、「あれ」

ということです。

 

だから、だから、

日本語学校の採用試験で、模擬授業をやって、

先生が ペンをもって、

これはペンです。 はい、みんな」  学生たち「これはペンです」

とやると、採用担当は、がっかりします。

だって、学生にとっては、「それはペンです」だから。

「これ」「それ」は、聞き手、話し手、つまり立場によって、変わることがあるよ、という話でした。