形容詞の話、もろもろです。
★「多い」「少ない」
特別感感じますか?上の二つ。
人が多いです。人が少ないです。 うん、使えるかな?
多い人がいます。 少ない人がいます。 んんん、なんだか、変な気がする。
少なくとも、 たくさん人がいる、などと言いたいなら、「多い人がいますね」って間違いですよね。
「公園に多い人がいます」って? 「公園に大勢の人がいます」の意味を出したいなら
「公園に多くの人がいます」がまだ近いかな。 でも不自然に感じる人もいるでしょう。
「多くの人が、そのドラマに魅了された」のような使い方なら、自然。
このあたりは、「多い」は興味深いなあ、と思ってくれれば、の話。
さて、「多い」というのは、こんな使い方が「多い」んです。
東京は緑が多いです。 佐藤さんは白髪が多いです。「~は~が「多い・少ない」です」の形。
だから、「多い人」とか「多い町」とか言われると、「何がやねん!」と突っ込みたくなるけど、
「白髪が多い人」「緑が多い町」になると、「なるほど」とわかる日本語になる。
ある対象があって、「~は」で表し、その中で多くあるものについて「~が」で表す、という感じでしょうか。
「山田さんはやさしいんですよ」だと、そうなんだ、と受け取る。
「山田さんは多いんですよ」だと「???」「何が多いんや?」と気になる。
つまり、「「山田さん」は「白髪」が多い。」は、この「山田さん」と「白髪」がセットで
「多い」の文にあると、よくわかる、つまり「落ち着く!」
「近い」「遠い」も似たようなところがあります。
「◎◎銀行は近いです。」 って、推測するに「ここから?」
「近い銀行」はどうですか? やっぱり「ここから?」
自然な日本語にすると、
「◎◎銀行は駅に近いです」
「駅に近い銀行(は、◎◎銀行です」
「病院は遠いです」「遠い病院」も推測するに「ここから」という意味になりそうですが、
「病院は駅から遠いです。」「駅から遠い病院(は、不便です。)」
のように、「~は~から遠い」の形だと、落ち着く。
こうしたことがあるので、
「このケーキはおいしいです」は◎、「ケーキ=おいしい」で終了。
「このケーキは多いです」× 「ケーキ=多い」という意味なら「このケーキはたくさんあります」ぐらいにしないとダメ。
「このケーキはいちごが多いです」○「ケーキ=(いちご=多い)」これはOK。
「この町は賑やかです」は◎、「町=にぎやか」
「この町は遠いです」は??(町=遠い? どこから?)
「この町は県庁所在地から遠いです」は◎「町=(県庁所在地から遠い)」だものね。
ということで、「おいしい」「にぎやか」などの形容詞と、
「多い」「少ない」「遠い」「近い」はちょっと、タイプが違うんだ、という話でした。
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