人の話を聴くのは大変ですよね。
こんなことないですか?
A「昨日、〇〇って映画を見に行ったんだ」
B「へえ、私も行った。面白かったよねえ、主人公の〇〇が△△で(後、延々と続く)」
A「・・・」
Bさんの何が問題でしょうか?
Aさんの映画の話をきっかけに、相手の映画の話、もしくは、それに関連する話を聞かずに、
まず、自分だけが、その映画のことで言いたいことを話してしまう。
もしかしたら、映画の話かもしれないけれど、
実際には、Aさんは映画を見にいった帰りの出来事を話したかったのかもしれないし、
本当に話したいことが何かまだ、分からないんです。
それなのに、Bさんは自分が言いたいことをバーッと話してしまった。
これ、私もよくあるんですよね。
「あ、知ってる、それ」「あ、食べたことある」「あ、行ったことある」など
自分の経験にピタッとハマると、もう、自分のことの方を話したくて、うずうず。
もう相手の話が切れるのを待っていて、ほとんど聞いていない。
隙間を見つけて「それ、私も~こと、あるよ」と割り込んで、自分の土俵に持ってくることだけを考えている。
まあ、お互いに自分の言いたいことだけ話して、順番を待つっていう関係もありですよね。
それで、ずっと友情が続いていくこともあるし、いい家族関係を作っていることもある。
でも、もし、あなたが上司と部下で、上司側だったら、
もし、あなたが親と子で、親側だったら、
もしあなたが先生と生徒で、生徒側だったら、
まずは、相手の言いたいことを「しっかり聞く」「割り込まないで聞く」という場面も必要かもしれません。
最初から、怒りに任せて、「なんでこんなことをしたのよ」と問い詰めて、
相手が一生懸命説明しているのに「そんなこと、聞いてない」「私がどんな気持ちになったか、わかる?」とか、質問しているふりで、相手をなじったり。
「そんなこと、私はしませんよ」という冷静な方もいるでしょう。
でも、そういう人でも、相手の意見が自分と違っていると感じると
「それは違うんじゃないですか。〇〇は△△ですよ。」とやはり、最後まで聞かずに
自説を押し付けたりすることもあるかもしれません。
明らかに何か勘違いや覚え間違えかもしれないけれど、まずはじっくり相手の話を聴いてから、
反応したいですね。
しっかり相手の話を聴くことは「傾聴」という技術です。
カウンセリングなどでもよく使われる言葉です。
相手の考え方や振る舞いが自分の想像とは全く違っている場合に、
すぐ感情的に反応せずに、冷静に反応する技術には「エポケー(判断保留・判断停止)」があります。
いつも、自分の言いたいことを用意して、会話の隙間を探して、割り込んでしまう方。
もし、あなたがそうなら、
相手を指導したい、相手の役に立ちたいという場合には、
「相手の話を聴く」という発想があると違った関係が作れるかもしれませんよ。
その技術としての「傾聴」や「エポケー」のことは、また別の機会に。
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