日本語の教え方のヒント1ひとつぶで二度おいしいことを1

単語や漢字を教えるときに、そのまま、教えるだけではもったいないことあり、という話です。

学習者に単語を教えるときに、 例えば、 「とりにく」だけを教えるのはもったいない。

まあ、ふつうのテキストだと、「ぶたにく」「ぎゅうにく」など、一緒に教えるでしょうか。

「とり」「にく」を教えた時に、

「とり」から、「やきとり」を紹介したり、「にく」から「ぶたにく」「ぎゅうにく」を紹介したり、

ということが大切だと私は思っています。

その場で覚えなくてもいいんだけど、「とり」っていう言葉を覚えると、後で別のところで使える、っていうことが

うれしいし、覚える動機づけになる。

熱心な学習者だと、「ぶたにく」「ぎゅうにく」と「とりにく」「やきとり」をやったあと、

「先生、 やきぶた、やきぎゅう はありますか?」と聞いてくる。

「うん、やきぶたは、 あるけど、 やきとりとちょっと違います。ラーメンの上のぶたにくです。」

「やきとり(くしの絵をかく)と同じで、ぶたにくのときは「やきとん」といいます」

このあたりになると、漢字の訓読み、音読みを知っていることが大切ですけどね。

その流れで、 ぶた、のときと  とん のときの話題になる。

先生「とんかつ、わかりますか?」「このとん、と やきとん のとんは同じです」

学生「先生、じゃあ とりかつ はいいですか」先生「うーん、そのときは「チキンかつ」です」

ちょっと話が拡散してきましたが、

ひとつの単語を教えるときに、それが2つ以上の部分に分かれていたら、それぞれ、別の部分と組み合わせをさせて、紹介するだけでうれしいよ。ということです。

  でも、こういう展開になると、本当に教えていても楽しいですよ。

生活者 と  「やきとり」の話をするなら、「やきざかな」「やきぶた」「やきそば」

「やき」の共通点と相違点を写真をみながら、一緒に考えてもいいですね。