私は語学を教える仕事をしているのですが、後輩に、よく聞かれます。
「どうして、そんなやり方をパッと思いつくのですか?」
「私には、そんなの思いつかない」
「そんなにうまく生徒とやりとりできない!どうしたらいいんですか」。
その都度、技術的なことも理論的なことも話しますが、やはり「積み重ね、経験することが大事ですよ」ということを話します。
初めてトライするときに、もう二十年以上、そればかりやってきた人と同じことができなくても、落ち込む必要はないということです。
それが「すぐに結果を求めない」ということです。
もちろん、少しずつ少しずついろんなことができるようになってきます。
ただ、時間がかかることもあるんですね。
と、ここまで、書いてきて、別のケースに思い至りました。私自身の話です。
最近、武道を始めたのですが、なかなかうまくならずに、がっかりすることが多いです。師匠は「よくなってるよ」などと励ましてくれるのですが、上の段の人と練習するともう何もできません。やられっぱなし。ああ、向いてないのか、運動神経がないのか、と思います。
というようなことを、まだ20回も通っていない私は思っているわけです。「すぐに結果を求めてますよね」。お恥ずかしい限りです。自分の専門などは、「すぐ結果を求めちゃダメだよ」とアドバイスしつつ、自分が始めたばかりのものについては、できてない。
だからこそ、皆さんも自分の専門では、結構後輩に、「先輩、どうして、そんな営業トークができるんですか?」とか
「どうして、そんなに楽に患者さんと心を通わせてるんですか」とか、「すごい、先輩、ネットの使い方、うますぎる、その発想はどこから?」とか
いろんなことを言われているかもしれません。
言いたいことは、
自分の専門で、得意なことって、時間をかけて、年輪を育ててきてませんか?っていうこと。
だから、他の分野も同じ。
自分は、あの人みたいにできない、と思ったときに、その人の後ろに年輪を見てください。
ピアニストをみるときに、音楽を楽しむなら、それだけでOK。
もし、ああ、私もあんな風にピアノがひけるようになりたいのに、全然うまくならない、と思ったら、
まずは、その人の一日の練習時間に思いをはせましょう。
そして、また、結果ができくても、こつこつ、コツコツです。
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