別の記事で、人の悩みを聞く、ということで、「悩み」を通して、「悩みの本質」を探る、という話をしました。
転職をしたい、と言っている人が、本当の悩みが、「今の職場で自分を発揮できないから」から「職場の人ときちんとやりとりできないから」というところに気づいて、
職場でのコミュニケーションを浴したら、仕事も楽しくなって、やりがいも生まれて、
「そういえば、はじめの悩み、「転職したい」じゃなかったですか?」
「あ、そんなこともありましたね。」
と悩みが悩みではなくなってしまうこともあるわけですよ。
だから、「本当の問題」を探るのは大切です。
今回のテーマは「わかったつもりにならない」です。
例えば、
A義理の両親とうまくいかなくて困っている、とか
B人前で緊張してしまって、うまく話せないのを直したい、とか
C上司にいつもパワハラをうけて、つらい、とか
なにか相談があったとして、どう思います。
何か自分に身に覚えがあったり、経験があったりすると、「ああ、わかる、わかる」ってなりませんか?
でも、もしかしたら、あなたが考える状況とは全く違うかもしれませんよ。
Aでも、普段は問題ないけど、自分の子、つまり両親にとっての孫の進学先について、もめている、のが「うまくいっていない」の正体かもしれない。
Bでは、人前に出て、ただ話すのは問題がないけど、「プレゼンでクライアントを説得する」という場面だけ、緊張してしまうのかも。
Cも、「パワハラ」って人によって、イメージが違うから、相談してきた人の本当の状態って、「パワハラ」っていうイメージじゃわかないですよね。話を聞いてみたら「それ、パワハラじゃなくて、〇〇ハラスメント」だよ」ということもあります。
ということで、わかったつもりになって、自分に当てはめて考えると、大きな思い違いをしてしまうこともあるわけです。
じゃあ、どうしたら、いいかというと、きちんと具体的に聞く!ということ。
どんな時に、両親とうまくいかないの?
義理の両親の実家に行ったとき? 自分のうちに来たとき?
どんな話題で? 料理?子育て?習慣?お金の使い方?考え方?
逆にうまくいっているときはないの?
きちんと状況を思い浮かべられるように、いろいろ聞いてみます。
すると、相手も自分も状況がつかめてきますし、
そのやりとりのうちに、「いつも」うまくいかないと思っていた人間関係、実は、「ある話題」のときだけ、だった、ということもあります。
だったら、それを一緒に考えればいいわけです。
「わかった気にならずに、具体的にきちんと聞く」というのが今回のヒントですが、
うまくいかない可能性の高い例を最後に。
「わかる、わかる、私も大変だったもの、そんなとき。
でも、〇〇したら、大丈夫だったから、絶対、行けるよ、心配ないって」
そもそも、勝手に「わかる、わかる」で、自分にひきつけて理解。(そもそも、悩みわかってるのか?)
そして、自分の成功体験を語って、それで全員が大丈夫だという思い込み。これもちょっと問題がありそうですね。
先生業の方、例えば、英語の先生
「先生、単語が覚えられないんです」
「わかるよ、大変だよな、先生は、毎日、発音しながら、単語を1つ50回は書いたぞ、それで絶対大丈夫。頑張れ!」
って、本当に大丈夫なのでしょうか?
以上です。
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