「です」の話2
「です」の顔はふたつある という話です。
かわいい「です」と きれい「です」 の「です」が違う顔ですよ、ということなんだけど、
どう思いますか? いやいや、同じでしょ?と私も思ってました。昔は。
今は、違うってわかりますけど。 それを今日は、簡単に話していきますね。
かわいい「です」 | きれい「です」 |
かわい「くないです」 | きれい「じゃないです」 |
かわい「かったです」 | きれい「でした」 |
かわいい と思います | きれい と思います × |
かわいい「だ」と思います × | きれい「だ」と思います。 |
上の表をみると、 「です」だけ同じだけど、他の言い方するとき、違いますよね。
ちょっと、専門的になりますけど、
かわい「い」の最後の「い」に「過去じゃないよ、そして否定じゃないよ」という意味が入っていて、「です」は、単に「丁寧にはなしてますよ」という記号になるんです。
だから かわい「かった」(過去だよ)とか かわい「くない」(否定だよ)のとき、
最後の「い」が消えますね。 で、かわいかった「です」とか かわいくない「です」とか
「です」をつけられるんです。これは、「です」が丁寧という意味だけだから。
一方、きれい「です」の「です」は、丁寧という意味もある上に、「かこじゃないよ」「否定じゃないよ」が含まれています。 だから、きれい「でした」の「でした」は、「かこだよ、そして丁寧だよ、と二つの意味が入っていることになります。
ちょっと、ややこしいのは、「きれいじゃないです」の「です」は、かわいい「です」と同じ顔だということ。
きれい「じゃない」は、「じゃない」の中に「否定だよ」という意味があり、「です」(丁寧を伝えるだけ)になるから。
ちょっと考えるだけで、疲れてきますよね。
ということで ともかく、「かわいいです」と「きれいです」の「です」は持っている意味が違うんだ、いうことがなんとなく、わかれば、OKです。
★★もう少しくわしく★★
ちょっと、日本語教育的にいうと、 「かわいい」は「い形容詞(国語では形容詞)」で、「きれい」は「な形容詞(国語では形容動詞)」になります。
で、「です」の働きは、「い形容詞」の後の場合は、丁寧さを増すだけだから、丁寧さの必要のない引用の「と」の前では、ただ、消えて「かわいいと思います」になります。
「な形容詞」の場合は、「です」丁寧さだけではなく、非過去肯定の意味が入っているから、引用の「と」の前は、「です」がきえるだけだと、丁寧さだけでなく、非過去肯定の意味もきえてしまうから、それを補うために 丁寧ではない非過去肯定のマーク「だ」をいれて、「きれいだと思います」にするんですね。
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