「格助詞」の「と」
「並列助詞」の「と」
覚えていますか?
ただし、そういう名前を学習者に教える必要はないですよ。先生の頭の整理に使ってください、ということです。
今回は「接続助詞」の「と」です。
ボタンを押すと、電気が付きます。 の「と」です。
「と」の後ろに「、」が付いた文で教えることが多いように思います。
並列助詞の「と」の時に 動詞は並べないと書きました。
「食べると飲むと歌うをしました。」のような「と」はないと。
ただし、接続助詞の場合は、動詞も大丈夫です。
そんなに食べると、ふとりますよ 「食べると」でOKですね。
これは、文と文をつなげる役割をしています。そして、文の終わりは述部で、動詞であることが多いので、「動詞+と」になることが多いわけです。
形としては、「ボタンを押します」→(必然)→「電気がつきます」という関係を
伝えるために、「と」を使います。
学習者に教える場合には、注意が必要です。
日本語教育上では、「ボタンを押しますと電気がつきます」は×NGということになっています。
「ボタンを押すと電気が付きます」の「押す」のように辞書の形を用いる形で教えます。
ずっと教えていると、「と」の前の形は、辞書形か「ない形」
食べると太る。 たべないと痩せる。 OK
食べたと たべなかったと NG
になります。
けれど、ふつうにボランティアで教えたりしているときに、
「先生、 ボタンを押しますと、とか、聞いたことがあります」と言われてしまうかも。
うん、バスガイドさんや丁寧な口調の接客業の方だと、使うこともあるかもしれませんね。
「この先、鉄橋を越えますと、右手に富士山がみえてまいります」
「カードでお支払いいただきますと、ポイントが2倍たまるキャンペーン中でございます」
ということで、まずは、純粋培養、日本語に触れる機会の少ない学習者には、「辞書形」か「ない形」で教える。
丁寧な接客に触れて、「おしますと」もいいんじゃないか?という学習者に対しては、別の対応が必要になりますね。
★「食べるとふとります」 と 「食べると出かけましょう」× について。
「と」の後ろに来る文にも制限があります。
後ろに来る文は、「必然的になってしまう」ことに使うので、
話し手の意志によって変わることには使えません。
「出かけましょう」は、急に気が変わって、「やっぱり出かけない」ことになるかもしれませんね。そういう時には使えないということを知っておきたいですね。
「食べるとふとります」「食べると出かけましょう」
「食べたらふとります」「食べたら出かけましょう」
「食べればふとります」「食べれば出かけましょう」
「食べるならふとります」「食べるなら出かけましょう」
こういう例文をいつも、対比して、学習者が 質問してきた時に、どの文はOKで、どの文がNGで、その理由はコレコレだ、と説明できるようにしておくと先生として、安心できます。
上の8つの文、どれが非文でしょうか? これは各自考えてみてください。
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