今回は、形容詞です。
形容詞の分け方を2種類紹介します。
形容詞って何でしょうか?
使い方は、二つ。
1 名詞の前について、「おいしい」ケーキ のような使い方(名詞修飾)
2 名詞は「形容詞」です。 の形で、述部になる形。
あのケーキは「おいしい」です。 のような使い方。(こんな文を形容詞文といいます)
さて、では形からみる2種類を見ますね。
「おいしい」ケーキ 「ゆうめいな」ケーキ
お、「な」が入らないものと 入るものがありますね。
「おいしいな」ケーキ× 「ゆうめい」ケーキ× だめですものね。
この「おいしい」は最後が、「い」だから「イ形容詞」と言います。
「ゆうめいな」は、名詞の直前が「な」だから「ナ形容詞」と言います
。学習者にとって、難しいのは、
辞書や語彙集などでは「おいしい」「ゆうめい」と書かれているものもあって、
「い」か「な」か、どちらかは、わかりにくいってこと。
ただし、「い」で終わっていれば、「イ形容詞」であることが多いので、
「い」で終わる「ナ形容詞」、「ゆうめい」「きれい」「きらい」ぐらいを最初に例外で教えるという手もあります。
実は、「ナ形容詞」でやっかいなのは、「イ形容詞」との区別ではなく、
本当は、「名詞」との違いですけどね。
「独特な」風情 「独特の」風情 「特別な」やり方 「特別の」やりかた
のように、人によって、適当に使っているケースもあるので。
「な」だったら「ナ形容詞」 「の」だったら「名詞」になりますよ。
そのあたりを学ぶ学習者の使い分けのミスをもじって「問題な日本語」なんて本もありましたよね。確か。
話を「ナ形容詞」と「イ形容詞」に戻します。
次は、形容詞文の述部になる場合。
このケーキはおいしいです。 このケーキはゆうめいです。
はい、どうでしょう? 「です」を付けただけでは、違いはないようにも見えます。
が、活用させてみましょう。
おいしいです | ゆうめいです |
おいしくないです | ゆうめいじゃないです |
おいしかったです | ゆうめいでした |
おいしくなかったです | ゆうめいじゃなかったです |
否定は「く」と「じゃ」が異なっています。 おいしいじゃないです× ゆうめくないです×
過去の形の「おいしかったです」と「ゆうめいでした」も形が違いますよね。
だから、「おいしいでした」× 「ゆうめかったです」× という間違い(特に前者)
ここまでが、形での違いです。
ここから、意味的な違いを見ていきます。
わたしは背が「たかい」です。 と わたしは手が「いたい」です。
の違いです。
言語によって違うと思いますが、日本語の場合、
性質などを表す(イメージとしては、客観的)「属性形容詞」
人の感情や感覚など(その人でなければ、分からないもの)「感情形容詞」のふたつに分けます。
感情形容詞は、ここでは、感覚(痛い)なんで、個人的には「感情感覚形容詞」と呼びたいんですが、「感情形容詞」にしておきます。名前より、区別が大切なので。
ポイントは、本人しかわからないものかどうかです。
「先生、山田さんは手がいたいです」×「佐藤さんはうれしいです」×「鈴木さんは水がほしいです」×
これは日本語としてどうか? 本人じゃないのに、なんで断定してる?という気分になりませんか?
ここでは「佐藤さんはうれし「そう」です」とか「鈴木さんは水をほし「がっています」」とか
「~そう」「~がっている」をつけて、
「~そう」(私の目で見た勝手な印象だよ!)
「~がっている」(その感情を表に行動で出しているよ!)というものが必要です。
ということで、「感情形容詞」は
原則、「私は~」 の場合と 「あなたは~?」の二人称の疑問で使います。
あのひとは「うれしい」です。3人称に使えない。つまり、感情形容詞。
あのひとは髪が「長い」です。3人称に使える。つまり、属性形容詞。
#ことはじめなのに、人称使ってごめんなさい。
1人称(わたし)話し手書き手
2人称(あなた)聞き手読み手
3人称(あのひと)別にいる話題の人物
というような理解でお願いします。
形容詞の基礎
「イ形容詞」vs「ナ形容詞」
「属性形容詞」vs「感情形容詞」 の話でした。
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